2015年3月31日火曜日

台湾に行ってきたわん③ 宜蘭庁舎

二日目。
丁度忘れたパスポートが駅に届くのを待っている間、宜蘭縣の街中を歩いていました。

宜蘭縣は部分的に栄えているという感じの場所でした。

電車を降りた場所が栄えていない方の場所だったんでタクシーを探すのにも一苦労しました。

そんでタクシーに乗って、今回私が一番楽しみにしていた建築物こと「宜蘭庁舎」を見に行きました。



宜蘭縣庁舎は1997年に竣工された建築物で、設計は日本の設計事務所「象設計集団」が設計しております。
「象設計集団」と言えば沖縄県の「名護市庁舎」を設計した事で有名です。
私は名護市庁舎が大好きなので宜蘭縣庁舎も是非ともいつか拝見したいと思っていたのでした。
名護市庁舎
それで、念願の宜蘭庁舎に着いたのはいいんですが、この宜蘭庁舎、かなりデカイ!!
全体像がなかなかつかめないため、とりあえずどこを見ればいいのかわかりません。





後で調べてわかったのですが名護市庁舎の3倍の広さだそうです。

とりあえず歩き回ってみました。

平面図


①中央広場付近






敷地の中央にドデカイ庭があり、川が流れている。
川にも橋やオブジェなどが設置されていた。
きっとこの水場や草原も、市民に開放するために計画されているんだなと思った。

②市民ホール
謎のカーブを描いた建築物。
どうやら市民ホールのよう。
中を見学したかったのですが休館中だったので残念ながら中には入れなかった。

しかし市民ホールと繋がった建物の中はちょっと入れた。

ギャラリーに使われそうな場所


 



大きなルーバー屋根のかかった半屋外空間。
差し込んでくる光が植栽に当たってさわやかな空間を演出。
床も柱も梁もレンガ調のタイルで覆われていてRC造でも有機的な温かみのある表情を作っている。



梁の下端を見るとモザイクタイルで装飾されていた。
ふとしたところに細やかな意匠が見られるとキュンとしちゃう。

半屋外空間がたくさんあり、自然を感じつつもほどよく包まれているような素敵な場所だった。
これもやはり市民に開放するための配慮なんだと思った。


③ウッドデッキテラス部分

市民ホール部分から庁舎部分に戻ると、
足の長い柱が特徴的な、これまた半屋外空間が出現した。



ウッドデッキで覆われている。


ベンチもたくさんあって休憩できる。


ここで何やらステージのようなものを発見。
ステージの淵のぐにゃぐにゃした形が特徴的。
まるで中東の宮殿のよう。



上から見たところ


窓がたくさんある。


渡り廊下の入口もぐにゃぐにゃしている。

 内部へつながる廊下を発見。


奥へ進むとますます宮殿チック。路地空間。



この開口枠のディテールも非常に凝っている。
これだけ大きい建物なのにこんな細部まで設計されていてすごい。

 このテラス部分に面する壁には開口がたくさん空いており、一つ一つに人工大理石の枠が取り付けられていた。
このおかげで全体的に宮殿のような雰囲気が漂っていた。今まで見てきたアルミサッシが埋め込まれただけの開口とは意味合いが違うような気すらした。



④庁舎内部


庁舎内部には至るところに中国製家具などでよく見られるような格子パターンが見られた。

格子パターン風マスブロック

 格子パターン風間仕切り壁

ドアにも格子パターンっぽいデザインが施されている。



エントランスホール。
自然光がたくさん入り込み電気をつけなくても明るい。


至るところにトップライトが設置されており、自然光によって半屋外のような空間を演出。


ここも天井にトップライトが設けられている。
まるで箱庭のよう。




庁舎内は自然光で明るく、ここも半屋外のような空間を演出していた。
また、外部から内部へアクセスする時も、扉などで区切られていないので気がつくと内部へ入り込んでいるという感じだった。

宜蘭縣庁舎は半屋外空間が多く、外なのか中なのかわからないような場所が多い。
どの場所にいても何かしら自然を感じられるような気がした。


⑤庁舎庭部分


庁舎内を歩いていると水辺のような場所を発見。

そこから外へ出てみると、
なんと池があった。




木造の橋も架けられていた

水上のバルコニー

水辺に設けられた休憩所

水を使ったアトラクションを増やすことにより、庁舎に訪れた人に場の展開を楽しませてくれる。

屋外通路。やっぱり宮殿のよう。



 道路のタイルもパターンがあって面白い。

こちらも格子パターンを意識したと思われる壁。






ここではどんな物でも何かしらデザインがされており、寧ろ単調なものを探すほうが難しい。
大きいランドスケープのような計画もしつつ、ディテールの部分にまで手が加わっているとはかなり苦労して設計したのだと思った。


⑥屋上庭園

屋上へ上がると、「屋上緑化」という言葉では収まりきれないほどの緑があった。
あまりにも立派な庭園で屋上であることを疑った。







金具にすら意匠が施されている事に感動した。




屋上とは思えない風景。







この宜蘭庁舎のテーマの一つが、「自然との共存」であることは言わずもがなだと思うのだが、この屋上部分はそれが顕著に現れていた。

台北市を歩いた時にも、都会でありながらも自然を至るところで感じることができた。自然を大切に思うのはもしかしたら台湾の国民性なのかもしれない。
象設計集団は、その国民性に充分応えれるような自然をこの建物の中に詰め込んだのかもしれない。


結局、宜蘭庁舎内を隅々見るために3時間近く見学していました。
この建築物は訪れた人を活き活きとさせてくれます。
この庁舎で働いている職員さん達が羨ましいですww
本当素晴らしい建築物だなーと思いました!

以上、稚拙ながらも宜蘭庁舎のレポでした!


④へ続く。
次回は旅行のまとめです。